景清穴(かげきよあな)

更新日:2020年10月01日

山の中に整地された歩道と赤い小さな橋があり奥に景清穴がある写真

指定年月日

大正11年3月8日(国指定)

所在地

美祢市美東町赤

概要

景清穴は、秋吉台東北端の猪出台西南麓にあって、洞の道はほぼ北の方に伸び三角田洞と末の洞といずれも洞内で連絡しており、干天で水の少ないときには景清穴から入って三角田洞にぬけることもできる。
 景清穴は古くから長生洞ともいい、また所在に因んで赤の穴とも呼んでいたが、支洞に景清穴があるので総称して景清穴と呼ぶようになったのである。景清穴は大庭景清にまつわる伝説をもっている。「注進案」にも「是に平家の落人暫く乱をさけしとなん 爰を以景清穴と唱」とある。平家の部将大庭景宗一族は、壇ノ浦に敗れてこの地に逃がれ安楽に暮していたが、将軍頼朝は追討の兵を遣した。景宗の子景清らの若き剣士が日夜武道に励んでいたので、この敵を迎え討ったことから景清穴の名はこの大庭景清に因むものであると伝えられている。また景清洞とも称している。
 洞の長さは約1.5キロメートルであるが、支洞を加えるとその長さは倍加するかもしれない。洞口は高さ30メートルの絶壁の麓にあって、洞口の大きさは横45メートル、高さ16メートルに達し、その形はほぼ三角形を呈しているが、落盤によって東に高く西に低くなっている。
 洞内の天井や壁にはサンゴ・ウミユリなどの化石が無数にあり、学術の宝庫といわれ、天井の美観はまた格別である。
 「注進案」にも美観について、「文政13子年(1830)若殿様御下り被遊御上覧候 猶又廻国執行者是を見て実に日本無雙なりかかる名洞の田舎にある事残念なりと称美しけるなり」と記載されている。
 三角田洞は、三角田ポリエを経て流れる三角田川の地下流となる所で、洞口は猪出台の東北にあり、横10メートル、高さ16メートルに達し、やや長方形を呈している。洞の地下流は景清穴を経て佐山ポリエに出る洞床流をもつトンネル状の典型的貫通洞であり、他に類例のない貴重な存在である。なお、入洞するときは景清穴口より入って三角田にぬけるのが順序であって、逆に通ることを忌み嫌っており、強いて逆入洞すると村内に災厄が起こるといっている。古くは旱魃の時は里人が、松明を持って雨乞のためにくぐり抜けたと伝えられる。
 洞内には羅漢穴・景清穴・神保穴・風穴などの支洞と生目八幡・敵落し・天狗岩・景清つらら・えぼし天井・賽の河原・黄金岩・へちまかべ・天狗の筆・かくれ獅子・さんご天井・景清のどんちょう・うろこかべ・飛行機ぐも・かすり天井・竜の抜殻などの名所がある。

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