綾木八幡宮の大般若波羅密多経(あやぎはちまんぐうのだいはんにゃはらみったきょう)

指定年月日
平成10年5月21日(市指定)
所在地
美祢市美東町綾木
概要
大般若波羅密多経は600巻あり、大乗仏教の根底となった一切皆空の理によって、般若(一切の煩悩、執着をたちきり、あるがままの真実の姿をつかむ、悟りのための最もすぐれた根本的な智慧)を得ることを説いた経典の集大成されたものをいう。南北朝時代から室町時代の初期にかけて、防長の寺社ではこの経の書写が盛行した。
本経もその一つである。奥書によると、書写の着手の年月ははっきりしないが、成就したのは応安6年(1373年)10月12日とある。法量は縦25.5センチメートル、横13.2センチメートルの折本で、6行仕立てで一行に17字となっており、写経の決まりの通りになっている。巻第440に「寔享禄5年中春比壱部修輻畢」の墨書があるので、室町時代若干の修補があったと思われるが、600巻が揃って伝存し、保存状態も比較的良好であるのは貴重である。なお、写経は200巻ずつ3合の箱に収納されているが、この箱もその様式から室町時代の制作と思われ、併せて貴重である。
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更新日:2020年10月01日