大正洞(たいしょうどう)

更新日:2020年10月01日

立体的な石灰洞の写真

指定年月日

大正12年3月7日(国指定)

所在地

美祢市美東町赤

概要

本洞は秋吉台の東北端に近い真名ヶ岳の北麓に開口しており、竪穴で連絡して数層からなっている立体的な石灰洞である。
 もとは牛隠し洞といい、戦乱や内乱の折に里人が牛を奪われることを恐れて、この洞内に牛を隠したというのでこの名がついていた。この部分はわずか100平方メートル程度にすぎないものであった。
 夏にはこの牛隠し洞の奥から冷風が吹き出てくるので、更に奥には洞穴があるものと想像されていたが、同地の大島金蔵・政一氏父子らが、大正10年1月5日から調査にかかった。地域の人々の迷信的なことから反対もあり、苦労したが、ついに大正10年5月、内部に大洞窟のあることを発見した。発見の年代と発見者に因んで大正洞と名づけたのである。
 洞の入口から終点まで1キロメートル弱にすぎないが、支洞を合わせると2キロメートルに近い。
 本洞は、支洞と竪穴が多く変化に富み、生成物がよく保存されていて、鐘乳石、石筍に富んでいるので学術上の資料となるものが多い。
 本洞は牛隠し・極楽・高天原・地獄の4部から成っている。高天原2段・極楽・地獄及び奈落の5階となっていて、縦横に連絡し、牛隠しから東へ向かうと地獄に入り、地獄は奇観に富んでいるが狭い。極楽は牛隠しより南に狭いところを60メートル通過すると洞は広く極楽に達する。このように洞内は変化とスリルに富んでいる。なお、洞が若く、いま成長期で、幼い鐘乳石が無数にあること、石灰洞窟の形成過程が探究できることなどが、本洞のみどころでもある。洞内に雪中の松・子育て観音・音羽の滝・尾上の松・しし岩・洞内ふち・さんご樹・けごんの滝などの名所がある。

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